
「FXは勝てない」というのはFXを調べると、誰もが目にする言葉です。しかし、実際に勝てており情報発信をしている方が世の中にはいます。そこで今回は「どちらが真実なのか分からない」という方向けに「FXで勝てない仕組みや理由」、「勝つためにやるべきこと」を解説していきます。
※本記事は、FXの手法を教えるものや利益を確約するものではございません。FXはご自身の責任で取引していただきますよう、お願いいたします。
目次
この記事でわかること
この記事を読めば
- FXは勝てないと噂されるのは途中退場者が多いから
- FXはレバレッジの判断が難しく勝ちにくいこと
- トレーダーがFXで勝てないのは心に余裕がないから
- FXで勝てないループから抜けるコツは独自のトレードルールを作ること
以上の知識が得られ「FX始めたて」というあなたも「脱初心者」に近づけます。
FXで利益を得る方法は2つしかない
FXで利益を得る方法は
- 為替差益(トレードによる利益)
- スワップポイント(金利差による保有利益)
以上の2つです。順に解説していきます。
方法1, 為替差益(トレードによる利益)
FXで利益を得る方法1つ目は「為替差益(トレードによる利益)」です。
為替差益とは、通貨の価格変動によって得られる利益のことです。別名キャピタルゲインとも呼ばれています。
例えば、現在のレートが「1ドル=100円」であったとします。そして、買ったその後「1ドル=110円」になったとすると、このタイミングで売れば「10円の利益」が生じたことになります。これを「為替差益」と呼ぶわけです。
為替差益で利益を得る方法としては
- 「安く買って高く売る」
- 「安く売って高く買う」
以上の2パターンが考えられます。順に解説していきます。
1, 安く買って高く売る
為替差益で利益を得る方法1つ目は「安く買って高く売る」です。
初心者にも分かりやすいのがこの方法です。FXでも通常のビジネスと利益が発生する手順は基本的に変わりません。そのため「通貨を安く買って、高く売る」という稼ぎ方が使えます。
例えば
- 現在のレートが1ドル=100円
- 1万ドル(100万円)分のドルを購入した
という状況にあるとします。
その後、1ドル=110円に価格が上がりそのすべてを売却した場合には手元に返ってくる金額は「110万円」となります。つまり、安く買って高く売ることで「10万円の利益を得た」ということです。
余談となりますが「1ドル=100円」に対し「1ドル=110円」と価格が変動した状態を「円安」と呼びます。理由は「1ドルに対し、支払う円が増えているから」です。つまり、この状況は「円の価値が安い」ということであるため、円安と呼ぶわけです。
2, 高く売って安く買う
為替差益で利益を得る方法2つ目は「高く売って安く買う」です。
こちらの方法は、初心者にとってかなり分かりにくいとされています。なぜなら、ビジネスでは上記の通り「安く買って、高く売る」が基本であるからです。
しかし、FXでは「高く売って、安く買う」という「価格が下降しているとき」にも利益が生まれます。これは株などにはない、FXのメリットです。
例えば
- 現在のレートが1ドル=110円
- 1万ドル(110万円)分を売却した(空売りと呼ぶ。)
という状況にあるとします。
その後、1ドル=100円に価格が下がった場合、100万円でドルを購入すると「10万円の利益」がでます。これが「高く売って安く買う」ということです。
余談となりますが「1ドル=110円」に対し「1ドル=100円」と価格が変動した状態を「円高」と呼びます。理由は「少ない資金で円とドルが交換できるから」です。そのため「円の価値が高い」というわけです。
このようにFXでは、為替相場が上昇していても下降していても利益を出せるため、ほかの投資に比べチャンスが多いです。
方法2, スワップポイント(金利差による保有利益)
FXで利益を得る方法2つ目は「スワップポイント(金利差による保有利益)」です。
スワップポイントとは「2ヶ国の通貨間に存在する金利差」により得られる「通貨の保有による利益」のことです。別名で「インカムゲイン」とも呼ばれています。
例えば
- 日本円の金利が1%
- 米ドルの金利が10%
以上のような状況があったとしましょう。
このとき、米ドルを購入したとすると金利差分である「10%-1%=9%」の金額を「米ドルを保有する限り受けられる」という状態になります。
つまり
- 米ドルを購入したため「10%の金利が受けられる」
- 日本円を手放したため「1%の金利が受けられない」
となり、10%から1%を引いた額が利益となるわけです。
(※ 通貨を交換しているため「米ドルを購入する=日本円を手放す」となります。)
スワップポイントは、初心者にとって馴染みがなく、かなり分かりにくいので、ゆっくり理解するようにしてください。
スワップポイントの注意点
スワップポイントでは当然ながら、金利差の大きな通貨ペアであるほど、多くの利益につながります。
例えば、2021年1月時に
- 日本円金利-0.1%
- トルコリラ金利17.0%
という状況がありました。
この場合、金利差は「17.1%」であるため「日本円でトルコリラを購入した場合」であれば、多量のスワップポイントを得られる可能性がでてきます。つまり「低金利通貨で高金利通貨を購入した場合に利益がでる」ということです。
そのため、高金利通貨から低金利通貨を購入した場合には、逆に「スワップポイント分を支払う必要」がでてきます。つまり、ある程度損失がでてくるわけです。そのため、交換時期や交換の仕方には注意してください。
このように、FXでは以上2種類の稼ぎ方で利益を上げていきます。
どちらか片方ではなく
- 為替差益
- スワップポイント
両方をうまくつかい取引利益を伸ばすのがおすすめです。
FXは勝てないと噂される理由3選
FXで勝つことは可能なのですが、よく耳にするのは「FXは勝てない」という話です。
ここでは、FXは勝てないと噂される理由として
- FXで勝てている人の割合が少ないこと
- プロのトレーダーでも負けがあること
- 途中退場してしまう人が多いこと
以上3つを解説していきます。
理由1, FXで勝てている人の割合が少ないこと
FXは勝てないと噂される理由1つ目は「FXで勝てている人の割合が少ないこと」です。
FXでは万人が儲かるわけではありません。そのため、勝てている人の割合が少なく「FXは勝てない」と言われています。実際、FXでは「1年間で収支がプラスとなっている」という人は全体の30%~40%程度となっています。5割を超えることはないため、勝てている人は「全体の半分以下」です。
また、5年連続で勝ち続る人は全体のたった「1%だけ」とされています。つまり「99%」の人が「5年のどこかで収支がマイナスになる」ということです。
しかし、FXは市場参加者が多く、脱落者も多いためこのような数値になっていることを忘れないでください。実際に「しっかりと分析し勉強しトレードを行っている人」というのはごく少数です。そのため「1%の勝ち組」といっても、一般的に言われているほど狭き門ではありません。
理由2, プロのトレーダーでも負けがあること
FXは勝てないと噂される理由2つ目は「プロのトレーダーでも負けがあること」です。
FXでは「未来の価格変動」を予測し、トレードを行います。どれだけ予測が上達しても「未来の確実な動き」は誰にも分かりません。そのため「毎回必ず勝つ」というのは、ほぼ不可能です。
プロのトレーダーは
- このチャートパターンは経験がある
- この国は情勢が不安定だから今は取引を避ける
といった「知識や経験」によって予測の精度を上げています。しかし、それでも負けるタイミングはあります。「負けより、勝ちが多いためトータルで利益がでる」というわけです。
プロのトレーダーは「損小利大」というトレードにおける基本を徹底しています。損小利大とは文字通り「損失を小さく、利益を大きくする」という意味です。利益を上げているトレーダーほど、こうした基本を徹底していますのでしっかり覚えておきましょう。
理由3, 途中退場してしまう人が多いこと
FXは勝てないと噂される理由3つ目は「途中退場してしまう人が多いこと」です。
上記で「FXで勝ち続けている人の割合は少ない」といった旨の話をしましたが、この「割合が少なく見えてしまっている要因」が途中退場者の多さです。
「FXは本当に1%の人しか勝てない」といった取引ではないですが、途中退場した人が多すぎるため、全体の数が増えすぎてしまい勝っている人が少数となっています。
例えばFX人口を100人とすると、このうちの5割近くが分析をせず取引を行い資金を溶かし続けます。残りの5割は勉強をしますが、そのうちの半数以上は、勉強が続かず姿を消します。つまり「7.5~8割の人」が数年以内にやめてしまうわけです。
この残り2割の勝ちトレーダーに対し新規参入者が来るため、どんどん勝ち続けているトレーダーの割合が少なくなっていくわけです。
また、FXでは途中退場者が「やめておけ損をするぞ」「ギャンブルだ」などと吹聴しているケースが多いです。そのため「FXは勝てない」といった噂は「勉強不足で退場した人間が流している可能性が高い」ということを理解しましょう。
途中退場してしまう理由として主なものは
- 必要な資金の目測が甘かった
- 全然勝てないことに嫌気がさした
- 思っていたより簡単じゃなかった
以上です。
FXは
- 知識
- 経験
が物を言うため「初心者が数か月で成功しよう」というのは無理な話です。そのため逆に言うと、FXは時間をかければ徐々に勝てるようになります。もちろん、地道な努力を積み重ねる必要はあるので、その点勘違いはしないでください。
FXは株などに比べ
- 資金が少なく済む
- スマホアプリがある
- SNSなどでよく見かける
など、敷居が低いため初心者が「簡単なんだ」と誤解しやすいです。
そのため、途中退場した初心者が「だまされた」と言い「勝てないからやめておけ」と噂を流しているわけです。
「堅実な人ほど勝てる」というのが投資です。FXも株も例外なく努力は必要なので注意してください。
FXが勝ちにくい理由5選【仕組み】
ここでは、FXが勝ちにくい理由を仕組みの面から見ていきます。
主な理由は
- FXは「ゼロサムゲーム」であること
- 為替変動リスクが大きいこと
- 金利変動リスクが大きいこと
- レバレッジの判断が難しいこと
- スリッページの発生があること
以上の5つです。順に解説していきます。
理由1, FXは「ゼロサムゲーム」であること
FXが勝ちにくい理由1つ目は「FXはゼロサムゲームであること」です。
まず「ゼロサムゲーム」とは「勝ち負けが表裏一体」となった仕組みをさします。具体的には「誰かが勝った裏では、必ず誰かが負けている」ということです。
FX世界の主役は「個人投資家」ではなく、銀行などに代表される「機関投資家」という大口の投資家です。機関投資家は個人とは比べ物にならないほど莫大な資金運用を行っています。具体的には、何十億、何百億といった資金です。そのため、相場の流れは「機関投資家によって作られている」といっても過言ではありません。
以上のことから分かる通り、相場を読むには「相場の価格変動を起こしている機関投資家の考えを読む必要」があるわけです。そのため、機関投資家の考えを読めなければ、資金を根こそぎ持っていかれます。つまり、FX初心者がいきなり「何年もFXに関わっているプロの考えを読む」ということは不可能なため、上達に時間がかかるというわけです。
例を挙げるならば、生まれたての赤子が大人相手に勝負を挑むようなものです。赤子には「知識と経験を積む時間」が必要であり、どんな勝負を挑むにしろ足りないものだらけです。
これと同様にFX初心者が「プロ相手にFXで勝っていること」は何1つとしてありません。そのため、まずは知識と経験を得ることに尽力しましょう。
これが出来なければ「機関投資家に利益を提供する存在」として搾取されるだけになるので注意してください。
理由2, 為替変動リスクが大きいこと
FXが勝ちにくい理由2つ目は「為替変動リスクが大きいこと」です。
FXで最も大きな影響は「為替変動リスク」と呼ばれるリスクです。 為替変動リスクとは「通貨価格の変動によって、未来の保有資産がどうなるか分からないこと」をさします。つまり「保有資産の不確実性」によるリスクです。
具体的に円を用いて説明していきます。例えば
- 世界中で円を買う人が増えた場合には円の価値が上がる
- 世界中で円を手放す人が増えた場合には円の価値が下がる
といった「需要と供給の関係の変動」が「為替変動リスク」を発生させる原因となります。
また具体的に、通貨の需要と供給の関係が変動する原因には
- 通貨ペアの金利差
- 世界各国の軍事情勢
- 自然災害の発生状況
- 世界の経済動向
- 国際政治、情勢
以上などが挙げられます。中でも最も分かりやすいものが「国際政治、情勢」です。
例えば「国内で内乱が起こっており、国家が転覆しそうである」というニュースが流れれば、多くの投資家はその国の通貨を価値が下がる前に売り払おうと躍起になります。そのため、通貨の価格は大暴落します。
このように為替変動リスクがFXでは大きいため、情報を取りこぼすと勝ちにくくなるわけです。
また
- 先進国は価格変動リスクが小さい傾向
- 新興国、発展途上国は価格変動リスクが大きい傾向
以上のような特徴が見られますので注意してください。
具体的には
為替変動リスクが小さいとされる国
- 日本
- スイス
- アメリカ
- オーストラリア
- ヨーロッパ諸国
為替変動リスクが大きいとされる国
- トルコ
- ロシア
- メキシコ
- ブラジル
- ノルウェー
以上が一例となります。
一般的に
- 「為替変動リスクが高い国」ほど、利益幅が大きい
- 「為替変動リスクが小さい国」ほど、利益幅が小さい
以上のような傾向が見られます。
こうした「為替変動リスク」を無視したトレードを行ってしまうと、FXにおいては勝機を逃すため、注意してください。
理由3, 金利変動リスクが大きいこと
FXが勝ちにくい理由3つ目は「金利変動リスクが大きいこと」です。
FXにおいては「金利変動」が「スワップポイント」に対し影響を与えます。金利というのは「お金を貸し借りする際に発生する対価」に近いものと思っていただいて構いません。
(※ スワップポイントとは「ポジションを保有している間、基本毎日発生する金利差によって得られる利益のこと」です。スワップポイントは通貨ペアとなる2通貨が使われている国の「政策金利の差」から発生します。)
例えば、銀行にお金を預けると、銀行はそのお金を利用し企業などへ融資を行います。つまり、間接的にではありますが「お金を貸している」ということになるため、預金には利息がつくわけです。この利息の度合いが「預金の何%にあたるのか」を示す数値が「金利」です。実を言うとこの金利も「需要と供給の関係」によって変動が起こります。
具体的には
- 銀行からお金を借りたい人が多い=金利が高い(お金の需要増)
- 銀行からお金を借りたい人が少ない=金利が低い(お金の需要減)
以上のように需要と供給によって金利が変わってくるわけです。
この需要と供給の関係が変動する一因として主なものが「景気」です。
具体的には
- 景気が良い=企業収益が増え事業拡大をはかる(お金の需要増)
- 景気が悪い=企業収益が減り事業維持、縮小をはかる(お金の需要減)
以上のような関係が見られます。
その他、金利が変動する要因としては
- 外国金利の変動
- 世界各国の金融政策の変化
以上のようなものが挙げられます。
理由4, レバレッジの判断が難しいこと
FXが勝ちにくい理由4つ目は「レバレッジの判断が難しいこと」です。
FX最大のメリットとも言われる「レバレッジ」は扱いを間違うと、最大のメリットから最凶のデメリットに変化します。
レバレッジとは「自分の持っている資金以上の取引を可能とする仕組み」をさします。そのため、利益を数倍にできるうえ資金効率を上げてくれる「個人投資家にとっての強い味方」とされています。しかし、利益が数倍にできるということは「損失も数倍に膨らむ」ということです。「レバレッジをかけるか否か」という判断は初心者には難しいため、下手にレバレッジをかけると勝ちにくくなってしまいます。
例えば
- 現在のレートが1ドル=100円
- 証拠金10万円に対し10倍のレバレッジをかけ1万ドル(100万円)を購入した
というトレーダーがいたとします。
この時、1ドル=100円が
- 1ドル=110円になれば10万円の利益
- 1ドル=90円になれば10万円の損失
となるわけです。
この時の損失について考えると
- レバレッジをかける(100万円の取引ができる)→損失が10倍になる(10万円の損失)
- レバレッジをかけない(10万円の取引ができる)→損失は等倍となる(1万円の損失)
以上のような関係性が見られます。この例からも「レバレッジの判断が難しいこと」はお分かりいただけるかと思います。
「FXで大損した」という人は多くの場合「レバレッジを考えなしにかけたこと」が失敗した原因です。そのため、レバレッジについて学び「自分にあったレバレッジ」が分かるようになってから活用するようにしましょう。
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理由5, スリッページの発生があること
FXが勝ちにくい理由5つ目は「スリッページの発生があること」です。
FXにつきものとされているのが「スリッページ」と呼ばれる「注文確定のズレ」です。スリッページとは「為替相場の急変」などによって「自分の注文したかった価格帯」と大きくズレて注文が行われてしまうことを言います。注文を確定させることを用語で「約定する」と呼びますので覚えておきましょう。
具体的には「1ドル=100円」の時点で「1万ドルを買う注文(100万円)」を行ったとします。この注文と同時に、相場が急上昇してしまい「1ドル=120円で注文が確定してしまった」といった現象をスリッページと呼びます。
スリッページが起こる理由は、注文してから確定するまでに「タイムラグ」が発生してしまうからです。FX会社はあくまで注文を仲介している業者であるため、システムによってはラグが発生してしまうわけです。
FXでは投資家が注文を行った場合
- 投資家が注文を行う
- FX会社が注文を受ける
- 受けた注文を「インターバンク市場」へ注文する
- 「インターバンク市場」で取引が成立すれば、投資家の注文が確定する
以上の手順で注文が成立します。
つまり「投資家とインターバンク市場」の取引を仲介するFX会社次第で「タイムラグが発生する」というわけです。そのため「どんな業者でも多少スリッページが起こってしまう」ということを覚えておきましょう。
スリッページの回避法としては
- 相場が急変する可能性を先読みする(かなり難しいです。)
- スリッページを抑える力のある会社で取引を行う(「約定力に自信があります」などと記載がある会社)
- スリッページに対し保障のあるFX会社で取引を行う
以上の方法が挙げられます。
ただし、完璧に回避するのはまず不可能なうえ、回避するにも
- 世界情勢などの確認
- 相場を見てきた経験
などが必要となります。
そのため「スリッページの保証を行っているFX会社」や「スリッページを抑えてくれるFX会社」を選ぶようにしましょう。
トレーダーがFXで勝てない理由3選
トレーダーがFXで勝てない理由には
- 心理的に余裕がないこと
- 相場観をつかめていないこと
- 分析力不足であること
以上の3つが挙げられます。順に解説していきます。
理由1, 心理的に余裕がないこと
トレーダーがFXで勝てない理由1つ目は「心理的に余裕がないこと」です。
FX取引においては「プロスペクト理論」と呼ばれる「心理的バイアス」が、かかるとされています。
プロスペクト理論とは
- 利益が出たらすぐにでも決済したくなってしまう
- 利益になるかもしれないと損切りを延ばしてしまう
以上2つの心理状態のことをさします。この考え方をしてしまうと、FXの基本である「損小利大」から遠ざかり「損大利小」といった最悪の結果を招きます。
プロスペクト理論は「克服する」といったものではなく「人間の本能的な部分」になるため、プロトレーダーでもなかなか抗えません。そのため、プロトレーダーは克服ではなく「ルールを遵守する」といった形でFXを行っています。つまり「その場その場で判断する」ということをあきらめ「ルールに従い機械的に決済を行う」ということを徹底しているわけです。
FXは「メンタル管理が重要」とよく言われる原因が、この心理状態に抗うためであるということをしっかり覚えておきましょう。
また、損切りのルールやトレードのルールを守ることで損失が減り、心にゆとりを持ちやすくなります。心にゆとりを持てれば、より勝ちやすくなりますので、感情に流されないトレードを徹底してください。
理由2, 相場観をつかめていないこと
トレーダーがFXで勝てない理由2つ目は「相場観をつかめていないこと」です。
FXでは相場の見極めが非常に重要となります。なぜなら、相場の流れる方向やパターンを見落としてしまうと、得られたはずの利益が減ったり、無くせたはずの損失が増えたりするからです。
FX相場の見極めは
- テクニカル分析(チャート分析)
- ファンダメンタルズ分析(世界情勢の分析)
以上の2つの分析法を用いて行われます。
これらの分析法を繰り返し用いて「相場観を身に着ける」というのがFXで勝てない人の最重要課題です。
また、相場観が分からないと「レバレッジをかけすぎてしう」ということもありますので注意してください。相場観が分からないうちに大きなレバレッジで取引を行うと、思わぬところで大損失を出してしまいます。初心者のうちは特に気をつけましょう。
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理由3, 分析力不足であること
トレーダーがFXで勝てない理由3つ目は「分析力不足であること」です。
FXにおける分析力不足の要因は
- 知識不足
- 経験不足
以上2つのどちらかしかありません。
「FXはギャンブルだ」とよく勘違いする人がいますが、実際には「分析力が不足しているがために勝てない」というだけです。FXは投資であるため「運要素」はなく、相場の変動には必ず要因があります。
そのため「正しい知識を身に着け、実践で慣らして経験を蓄積する」といったフローが必要となります。また、世の中には「勝率80%」などといった手法が出回っていますが、どんな手法もツールも「使いこなせるだけの知識と経験」が無ければ意味がありませんので注意しましょう。
例えば、サッカー選手の使っているスパイクを使ってもサッカーがうまくなるとは限りません。なぜなら、使いこなせるだけの知識と経験がないからです。サッカー選手は、そのスパイクだけでなく「今まで培った知識や経験」があるからこそ、サッカー選手としてやっていけているわけです。
マネから入る事はもちろん大事ですが、それを自分に馴染ませて「オリジナル」となるまで改良や検証をするといった「努力」が必要なことも覚えておきましょう。
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FXで勝てないトレーダーの特徴3選
FXで勝てないトレーダーの特徴は
- 手法を確立していない
- 1回のトレード時間が長い
- 損切りができていない
以上の3つです。順に解説していきます。
特徴1, 手法を確立していない
FXで勝てないトレーダーの特徴1つ目は「手法を確立していない」です。
FXにおいては
- 手法を確立していない
- 手法を頻繁に変更する
といったトレーダーは勝てません。
なぜなら「どんな手法も覚えられず中途半端になるから」です。世の中には「100%いつでも稼げる」といったFXトレードの手法は存在しません。そのためFXトレーダーは、損失をなくす方法ではなく「損失をいかに小さくするか」といった方法を考えなければなりません。つまり、実を言うと「勝率が何%なのか?」といったことは、あまり関係ないわけです。
しかし、FXで勝てないトレーダーほど「損失を小さくする」といった努力よりも「損失の出ない勝率の高い戦略」を欲しがるため、頻繁に手法の変更を行います。FXトレーダーに必要なのは、勝率の高い手法ではないということをよく覚えておきましょう。
また、手法を頻繁に変えることには
- 途中退場しやすくなる
- ギャンブルトレードをしやすくなる
といったデメリットがあります。FXでは、焦るとまったく勝てなくなるので注意してください。
特徴2, 1回のトレード時間が長い
FXで勝てないトレーダーの特徴2つ目は「1回のトレード時間が長い」です。
まず、1回のトレード時間が長くなった場合「判断ミスによる損失」を出しやすくなります。理由として挙げられるのは「FXにはストレスが多いこと」です。
そのため、短期間に絞ってトレードする方法が主流となっています。例えば、プロトレーダーは1日に「1〜2時間」程度しかトレードを行いません。なぜなら、長時間トレードするリスクを知っているからです。またプロトレーダーは、使っているトレード手法に「最適な取引時間」を知っているため、最低限しか取引をしない傾向にあります。
そのため、初心者のうちは「トレード記録」をつけ分析を行い、最適な取引時間を探すのがおすすめです。
また、トレード回数が多すぎるのもミスを誘発しやすくなるため、注意してください。いわゆる「ポジポジ病」というやつです。
ポジポジ病とは
- 稼ぎたいという欲に負け何度もポジションを持つ
- 負けを取り返そうと闇雲にエントリーしてしまう
- ポジションを持っていないと不安になる
といった状態をさします。感情に負けトレード回数を増やすと損しかしませんので注意してください。
特徴3, 損切りができていない
FXで勝てないトレーダーの特徴3つ目は「損切りができていない」です。
具体的には
- 取引しつつストップロスをずらす
- 損切ラインの決め方があいまい
などが挙げられます。
(※ ストップロスとは、損切りをするための注文)
相場が不利な方向に動くと、損切りをしたくないがためにストップロスをずらしてしまったり、損切りラインを気分で決めていたり、など「損切りができないこと」はFXで勝てない1番の理由です。
前述の通り、FXでは「損小利大」が重要となるため、損切りを厳しく行う必要があります。この点は分かっていてもできない人が多いため、注意してください。
また、最初から大きく稼ごうとする人は「損切りが下手」という傾向にあります。なぜなら、トレード自体に熱くなりやすいからです。FXは「熱くなったら負け」ということを肝に銘じてください。
FXで勝てない時にするべきこと3選
FXで勝てない時にするべきことは
- 損切りルールを見直すこと
- レバレッジの倍率を見直すこと
- トレードの振り返りをすること
以上の3つです。順に解説していきます。
1, 損切りルールを見直すこと
FXで勝てない時にするべきこと1つ目は「損切りルールを見直すこと」です。
実を言うと、年間で収支がプラスになるトレーダーでも「負けること」は結構あります。それでもなお収益がプラスなのは「損失が少ないから」です。勝ち続けることは不可能なので、損失を少なくするには「損切り」を徹底するほかありません。
具体的には
- 利益を10万円
- 損失を2万円
などというトレードを行いましょう。この考え方を「損小利大」と言います。
損切りのルールを作る基準は
- 証拠金の許容リスク範囲
- エントリーポイントからのpips数
- ダウ理論などの相場理論
以上の3つなどが主です。
初心者に多いミスが「トレードごとに損切り幅を変える」といったものです。これをプロトレーダーなどが、分析をもとに行うのなら良いのですが、初心者がやってしまうと「ただのあてずっぽう」となりますし、感情に流されやすいです。そのため、ルール決めをしっかり行うようにしましょう。
2, レバレッジの倍率を見直すこと
FXで勝てない時にするべきこと2つ目は「レバレッジの倍率を見直すこと」です。
レバレッジは「少額の証拠金で大きな取引ができる」というシステムの名称です。FXにおける最大のメリットとも言われる反面、諸刃の剣とも言われています。
なぜなら、利益が増える可能性が上がるということは、裏を返せば損失が増える可能性も上がるということだからです。そのため、レバレッジをかける際には、リスクも考慮に入れた上で判断を行いましょう。
リスクを抑えるには
- 証拠金に余裕があるか
- 損切り設定はルール通りか
- エントリーはルール通りか
以上のことが必要となります。これらを無視するとレバレッジをかけた取引はリスクのみのギャンブル投資となるため注意してください。
(※ 「証拠金に余裕があるか」とは、100万円の証拠金中、5万円にレバレッジをかけ取引を行うなどといった余裕をさします。)
FXで勝てるようになるには
- 損失を可能な限り減らす
- 資金を闇雲に溶かさない
以上のことが必要です。
まずは、慣れるためにも紙などにルールを書き起こし、目に見える場所へ貼っておくことをおすすめします。
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3, トレードの振り返りをすること
FXで勝てない時にするべきこと3つ目は「トレードの振り返りをすること」です。
為替市場は、日々少しずつ変化していっています。勝てているトレーダーは、勝ち負けに関係なく「トレードの振り返り」をノートなどで行い日々「自分の癖」「負けた原因」「相場の動向」などの研究をしています。
実際、機関投資家の注目や国の政策が変われば
- 価格変動の幅
- 価格変動のパターン
などに変化が見られますので、日々の振り返りは非常に重要です。
また、損切りルールを決めるうえで「トレードの振り返り」ほど良いデータになるものはありません。なぜなら「自分の手法に合わせた損切り幅」はネットや書籍で見つからないからです。つまり「自分で損切り幅を考え確立する」といったことが必要となります。
また、使っているトレード手法が「いつ有効なのか」といった分析も可能です。なぜなら、手法によって有効な局面には違いがあるからです。そのため、基本的に勝ち続けているトレーダーは「複数の手法」を扱っています。また、有効な手法や得意な手法探しにも、トレードの振り返りは重要と言えます。
FXで勝てないループから抜けるコツ3選
FXで勝てないループから抜けるコツは
- チャートの分析方法を勉強し直す
- デモ口座で練習しFXに慣れる
- 自分のトレードルールを作る
以上の3つです。順に解説していきます。
コツ1, チャートの分析方法を勉強し直す
FXで勝てないループから抜けるコツ1つ目は「チャートの分析方法を勉強し直す」です。
FXで勝つには「チャート分析の上達」が必須です。
分析法には
- テクニカル分析(チャート分析)
- ファンダメンタルズ分析(世界情勢の分析)
以上の2つが挙げられます。中でも特に初心者は「テクニカル分析」を勉強しましょう。
理由は、ファンダメンタルズ分析が「世界情勢が相場にどう影響するのか」を分析する方法だからです。そのため、難易度が非常に高く初心者向けではありません。まずはテクニカル分析を行いつつ、徐々にファンダメンタルズ分析を行っていくのがおすすめです。
テクニカル分析には
- 相場の基本法則理解(理論やチャートパターン)
- インジケーターを使いこなす
- チャートを見て取引する経験
などが重要となります。どれか1つだけでは意味がないので、まんべんなく学んでください。
(※ インジケーターとは、相場を分析するツールのことです。)
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コツ2, デモ口座で練習しFXに慣れる
FXで勝てないループから抜けるコツ2つ目は「デモ口座で練習しFXに慣れる」です。
デモ口座とは各FX会社が用意している「練習用の口座」です。実際のお金を使わず、エントリーから決済までを行えます。一般的に手法の検証用としてや初心者の練習用として重宝されています。
しかし、デモ口座では
- テキトーなエントリーをしないこと
- 実際のお金を使うトレードとは心理的負荷が違うこと
といった押さえておくべき点もあります。
テキトーなエントリーを行ったところで、何の意味もないですし、本番さながらの緊張感で取引しなければ練習になりません。また、デモトレードと実際のトレードでは心理状態がまったく違います。実際のお金を使うと、かなり緊張しますし焦るため注意してください。
ただし「デモ口座での練習は意味がない」というわけではありません。むしろ、知識やある程度の経験を得るのにとても重宝するため、初心者のうちはしっかり活用してください。
おすすめは
- トレードルールを作成する
- 過去チャートで検証を行う
- デモ口座で検証する(上手くいかなければトレードルールを改善)
- 実践トレードによって精神面を慣らす
以上のフローでFXに臨むことです。
このフローは「初心者が最も損失が少なく済むルート」と言っても過言ではありません。しっかりと準備し実践に臨みましょう。
コツ3, 自分のトレードルールを作る
FXで勝てないループから抜けるコツ3つ目は「自分のトレードルールを作る」です。
感情を完璧にコントロールしトレードに臨むのはまず不可能なので、機械的に守る「ルール」の設定は必須となります。誰かのマネから入るのは構いませんが、必ずアレンジを加え使いやすいルールに変えてください。なぜなら、チャート分析における価値観は人それぞれ違うからです。
例えば
- 上昇トレンドの定義
- 高値安値などの重視度合い
などが挙げられます。そのため、トレードルールは必ずオリジナルにする必要があります。
ルール作りで気にすべきポイントは
- エントリー判断のポイント
- 損切りのタイミング
- 利確のタイミング
- 損失が最小限で済むこと
- 自分の資金や知識量でもうまく回せるルール(レバレッジなどをかけすぎない等)
以上となります。この時必ず実践してほしいのは「言語化できるルールかの確認」です。なぜなら、言語化できないことは「感情的」とも言えるからです。感情的なルールは損失しか生まないので注意してください。
ルールを決めるには
- ルールの検証と実践
- ルールの修正
以上を繰り返す必要があり、一朝一夕で決められるものではありません。以上の作業を淡々と続け、ルール作りがうまくできた人のみが成功する世界なので、すぐに成功しようとはしないでください。
まとめ
この記事で覚えてほしいこと
- 途中退場してしまう人が多いために、勝ち続けているトレーダーの割合が低く見えていること
- FXには心理的余裕が必要なこと
- プロでもトレードで負ける場合があること
- 知識と経験がなければFXでは勝てないこと
FXで勝てない?仕組みや理由を解説!勝てるようになるためにやるべきことは?についてはお分かりいただけたでしょうか。
FXで勝つには時間がかかります。物覚えや今まで学んできた知識などによって個人差もあるため、焦らず着実に上達していってください。文中でも挙げた通り「焦ると勝てない」というのがFXなので注意しましょう。